ローマの休日
動画の評価
恋愛 ☆☆☆☆☆
ロマンティック ☆☆☆☆☆
感動、泣ける ☆☆☆☆☆
おすすめ度 ☆☆☆☆☆
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動画の感想とレビュー、あらすじ
オードリー・ヘップバーンが可憐な王女を演じた名作映画。
何度も見返していますが、観るたびに感動してしまいます。
忙しい公務に嫌気が差したおてんばの王女が、夜中に宮殿を抜け出して、ローマの街で新聞記者のジョーに出会い、恋をする物語。
以前に観たときは二人の切ないラブ・ストーリーばかりが印象に残っていましたが、改めて見直してみると、主人公・アン王女の置かれている状況はかなり過酷なのですね。
分刻みでがっちり決められたスケジュール。
着るべき服も、言うべき言葉も、するべき行いも、何もかも厳格に決められていて、自由など全くない毎日。
まだ少女といってもいい若い王女にはつらい生活です。
彼女がうつ病のような発作を起こし、精神安定剤を打たれる冒頭のシーンがとてもかわいそう。
まるで豪華な牢獄に閉じ込められた囚人のようです。
そんな王女が夜中に抜け出して、ローマの街で一日だけの自由を満喫します。
「一日だけ、今までしたかったことを何でもしてみたいの」
彼女はジョーにそう言います。
「オープンテラスのカフェでお茶をしたり、アイスクリームを食べたり、ウィンドウショッピングをしたり・・・きっとあなたには大したことではないでしょうね?」
彼女の望みは本当にささやかなものでした。普通の女の子のするようなことがしてみたかったのですね。
ジョーは王女についてのスクープ記事を書こうという下心から、そんな彼女に付き合って、一日一緒にローマの街を案内します。
美しく活気にあふれたローマの街並みが映し出され、観ているだけで一緒に観光しているかのように楽しめました。
はしゃぐアン王女の表情が生き生きとしてとても可愛らしいです。
夜の船でのロマンティックなダンスシーン、そして大乱闘があり、そこから逃れた二人が恋に落ちる瞬間がやってくる。
でもそのときには二人が共に過ごせる時間は残りわずかになっていた…
一世一代の恋をして、アン王女は初めて自分の立場を自覚します。
彼女には自分の国とその国民に対しての義務と責任がある。
それゆえに彼女は愛した人のもとを去り、宮殿へ帰る決意をします。
誇り高い王女、恋をした普通の女の子、その間を揺れ動くオードリーの表情が切なく、胸が締めつけられました。
恋と別れを通して、王女が少女から大人の女性へと成長する物語なのですね。
最後に王女として、新聞記者のジョーの前に現れるシーンのオードリー・ヘップバーンの表情もすばらしかった。
気高い態度でインタビューに応じながらも、ジョー個人に向けて自分のメッセージを伝えようとします。
「生きている限り、ローマで過ごした思い出を大切にします」 と。
王女が去った後の聖堂で、ぽつんと1人で佇むジョーとともに、しんみりした別れの余韻を味わいました。
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