シングルマン



シングルマン





愛する人を失ってしまった男性の孤独を描いた映画です。

有名なファッション・デザイナーさんが監督なのだということで、とにかく細部にまでこだわり抜かれた美しい映像となっています。

主人公の住む家も何だかとってもスタイリッシュでおしゃれ。

でもそれが返って生き生きとした生活感に欠けていて、主人公の孤立感を引き立てていました。


動画の評価


シリアス     ☆☆☆☆☆

美しい映像    ☆☆☆☆☆

切ない、泣ける   ☆☆☆☆

おすすめ度     ☆☆☆☆☆



dTVで配信中!





動画のあらすじ、感想、レビュー



主人公のジョージを演じるのはコリン・ファース。

ジョージは同性愛者の大学教授。

長年一緒に暮らしていた最愛の恋人ジムを、交通事故で亡くしてしまいます。

それ以来彼は深い絶望の中で1人で暮らしています。

彼は底なし沼のような虚無感にとらわれていて、生きているのが苦痛になってしまっている。


彼はもうこれ以上耐えられないと思い、自らの人生に終わりを告げようと決意します。

彼にとって最後の一日となる日が描かれています。


主演のコリン・ファースが、すばらしい演技です。

感情を押し殺した厭世的な表情には、大人の男性の色気すら感じさせられました。

時折、その頑なな心がゆるんで無防備な表情がのぞきます。

親友であるチャーリー(ジュリアン・ムーア)との関係では、お互いに深い友情を感じ、理解し合っていながらも、ジョージがゲイであるために、愛し合うことはできない、そのもどかしさが切なかったです。

かけがえのない人を失ってしまった孤独。
他の誰かを愛したくても、それができない。


教え子のケニーという青年がいつもと違うジョージの様子を心配します。
そして夜にジョージとバーで語り合います。

ケニーもまた孤独を抱えた若者で、二人はお互いに引き寄せられたかのようにみえました。

まっすぐに自分を慕ってくる青年の存在が、ジョージの心に変化を起こすことに。

ジョージとケニーが夜中の海へ入っていくシーンは幻想的で美しかったです。


でもケニーは教え子なので、愛することは出来ない。

癒されない孤独な魂。


「それでも人生が価値を持つとしたら、他人と真の関係を築けた瞬間にある」

ジョージのこのセリフが胸に響きました。

本当にそうですね。

dTVで現在視聴できます。